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『スカーレットレター』 イ・ウンジュ ハン・ソッキュ

イ・ウンジュさんの遺作となった『スカーレットレター』
彼女はこの映画を最後に自殺 してしまった。
韓国のネット上には彼女の実家の経済状態が暴露され、実家の犠牲になって承諾したくない仕事をむりやりに承諾させられて出演したのではないのかという話も出ていた、らしい。
ほんとかどうかは分からない。これが自殺の原因だとハッキリ言えるほど、死にゆく人の思いは単純ではないだろうから、直接の原因というより秘められた深層の心理そのものすべてが彼女を死へと追いやってしまったのだろうと、いまはそんなふうに考えている。

映画について。
見どころは、たった1つしかない。
イ・ウンジュさんがバーで歌をうたう場面だ。
彼女の独特な声が(映画のセリフで“猫みたいな声”と言っていたけど)耳から離れずに、彼女の繊細で伸びやかな声だけが“生きているもの”として私の意識に働きかけた。もちろん、ほかの役者さんたちが下手だったということではない。むしろ芸達者な役者揃いだったと正直に書いておく。その役者の演技も映画のなかに組み込まれていくことなく映画は空中分解し、その残骸のなかで彼女の歌声だけが映画とは別に、いきいきと演じられていた。

残念なことに(悲しいことに)、この映画は失敗している。
誘惑に引かれていく男の性(サガ)と、愛を、こすり合わせて、何かをやろうとしたかのような、素振りは見て取れるけれども、いかんせん場当たり的で映画に流れがなく、ひとつ1つの場面に輝きもなく、人物の掘り下げも、あまい。商品として出すまえの補助線やら縫いしろやらが丸見えで、イ・ウンジュさんが出ていなければ、きっと途中で放棄したことだろう。

以下、私の想像ですが…、
車のトランクに入った男女が、苦しみ悶えながら死んでゆく画を撮ったらおもしろいだろうな、というアイデアがまずあって、そこから設定を逆算して作っていった感じがする。
この作り方に問題があるのではなく、その逆算の仕方に問題がある。
まず刑事さんの私生活と、写真館での出来事を、重ねたかったようだが、苦しい、重なっていない。
それから刑事さんとその妻、愛人、この扱いが、あまりにフツーで退屈で、そのフツーな加減に亀裂を生じさせたくて、妻と愛人が同性愛の関係だったと持ってきている、どんでん返しに使いたい様子。そしてクライマックスとなり、車のトランクに入ると、こういう段取りになっている。

師匠がいれば、ゲンコツが飛ぶだろう、笑。
思いつきで外側から付け足していく(と感じさせる)作り方は、映画全体の底を浅くして、人物の掘り下げも、あまくなる。どのような作り方であっても、映画の底を綿々と命の河が流れていくような、そういう作り方、映画であって欲しい。“生きているもの”として表現して欲しい。映画なんてスクリーンに映し出された光の集合体でしかないが、それでも観るのは“生きているもの”が描かれているからだ。有名俳優を並べて刺激的な画を観せればそれでよいということではないはずだ。
イ・ウンジュさんにとって、これが最後の作品だと思うと、ほんとうに、悲しい気持ちになる。場面からして、脱ぐ必要もなかったと思う。
尚、この映画について、リニューアル前の本家サイトに感想文を書いた。イ・ウンジュさんが亡くなってまだ日も浅い頃で、私の感想文も感情的だ、笑。蛇足で、この下に載せておこう(言ってることは上↑とほぼ同じです)。

2004年韓国/監督・脚本(ピョン・ヒョク)/出演(ハン・ソッキュ、イ・ウンジュ、ソン・ヒョンア、オム・ジウォン、キム・ジングン)

【 あらすじ 】
刑事のギフン(ハン・ソッキュ)は、妊娠中の妻スヒョンを愛しながら、愛人カヒ(イ・ウンジュ)との情事を楽しむ日々を送っている。
ある日、写真館の主人が殺害されるという事件が起こり、第一発見者の妻、ギョンヒを取り調べたギフンは、彼女に魅力を感じていく。捜査が難航するなか、ギフンはカヒに妊娠を告げられた。冷たい言葉を浴びせながらも、カヒから離れられないギフン。やがて、完璧だったギフンの生活は均衡を失い始める…。

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星5つ評価で、1コ半、くらい。山ほど作られては消費されていく、どうでもいい映画のうちの1つです。なるほど、イ・ウンジュさんを出して脱がして奇妙な場面を演らせて、それでやっとお客が呼べるのだと自分たちがいちばんよく分かっている、彼女を騙すみたいに歌を歌わせピアノを弾かせ、これでファンは喜ぶのだよ、女優として羽ばたこうよ、裏で交わされたであろう会話が見えるようでした。出なきゃよかったのに。最後がこれじゃ、ほんと気の毒です。

それでいちおう私なりにホンの作りを解体してみたいのですが、まず本線が何なのかが分からなくて…、誘惑に引かれてゆく男の性(サガ)と、愛をぶつけた、と言ってしまうにしては、意味なく横に流れてしまっています。これは私の想像ですが(違ってたらごめんなさい)まず企画の段階で、車のトランクに入った男女が、苦しみ悶えながら死んでゆく画を撮ったらおもしろいだろうな、というアイデアがまずあって、そこから設定を逆算して作っていった感じがします。こういう作り方はフツーにやるので、それ自体がどうこうというわけではないのだけれど、問題は、その逆算の仕方で、刑事が妻と愛人のあいだで悩むとか、写真館の女の心が渇いているとか、なんだとか、車のトランクに入るまでの段取りがモタついていて、新鮮味がまったくなくて、もう見飽きちゃってだから何だよという感じ。せめて新しい画を持ってきて欲しいのに、そのまま、マトモに、出しています(苦笑)。「火の鳥」の感想文に、この映画を観たら記事にしますとつい書いてしまったので終わりまで観ましたが、それがなかったら途中でやめて別のDVDに替えていたと思います。最初の30分がダメなら、その後から良くなることは絶対にないです。そのアイデアのなさを、ごまかすみたいに、この部分でイ・ウンジュさんに歌わせたり脱がせたりしているわけですね。まったくどうしようもない(怒)なんで出たンだか。あんなに美しい人、演技が上手な女優さん、イ・ウンジュさんが、もったいないです。

ホンについて、もう少し書きますと、
イ・ウンジュさんと刑事の妻は、同性愛の関係だったわけでしょう? そうしたら、対決すべきは、この2人のほうで、刑事さんの存在は、どうでもよくなってくる、もしも同性愛にするとしたら。この女2人の濃厚な絡み(殴るか蹴るかそれとも心理戦でいくか分かんないけども)、対決が、見せ場になって、そこに刑事さんの存在が絡んできて、この3人の選んだ道がテーマに繋がっていくというふうな作りにならないとおかしい、、、と考えてゆくと、同性愛が、おかしい。示したかったであろうテーマ、「誘惑に引かれてゆく男の性(サガ)と愛」を本線に据えるのならば、同性愛である必要がないどころか、横に流してしまう余計な枝葉になります。同性愛のほうがおもしろいからそうしたという感じです。イ・ウンジュさんの同性愛、観たいでしょ? というような、イジワルな解釈もできてしまいます。それともう1つ、これはどうしても書いておきたいのですが、車のトランクに入った男女が悶え苦しみながら死んでゆく画を見せたかったようですが、ごくあたりまえの不倫の末に、こういう死に方を選ぶ女は、限りなくゼロに近く、存在しないと思います。ましてや妊娠している。ありえません。いったい何を作りたかったのか。こんな映画に出て死んでしまうなんて、どうかしているよぉ。テキトーに演っておけばよかったのに…。なんだかずっと怒りっぱなしですみません。読んでくださった方、私のグダグダに付き合ってくれて、ありがとうございました。

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