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父親たちの星条旗/硫黄島からの手紙 (クリント・イーストウッド)

父親たちの星条旗戦争を分かった気でいるやつはバカだ
特に戦場を知らぬ者に多い
皆 単純に考えたがる
“善 対 悪”
“ヒーロー 対 悪者”
どちらも大勢いる
だが実際は我々の思うようなものではない



私が知る者は皆
あの戦場の話を嫌った
忘れたかったんだろう
彼らは自分を英雄とは思っていなかった
多くは栄光と無縁に散り 戦場での写真もない
見ていたのは仲間だけ
遺族には“国のために死んだ”と
本当はどうだか

あの日の写真には目を背けたいものが多い
戦場の実態というのは――
想像を絶するほど残酷なものだ
だが正当化しないと
分かりやすい事実が必要だ 言葉などなくてもいい
写真の効果は絶大だ
劇的な写真は時に戦争の勝敗すら決める
ベトナム戦争で――
南ベトナムの士官が捕虜を撃つ瞬間をとらえた写真
“ズドン!”あの1枚でアメリカは負けた
敗北を認めようとしなかったが

あの日 撮られた中の たった1枚が歴史を変えた
バカげてるが事実だ
当時 国は破産寸前で 人々は戦争にウンザリしてた
たった1枚の写真が 状況をひっくり返した


硫黄島からの手紙清水「俺は敵のことを何ひとつ知らない
アメリカ人は腰抜けだと思ってた
だが あいつらは違った
鬼畜米英という言葉を
俺は 鵜呑みにしていた

だが あの米兵 あいつの母親の文面は
私の母のと同じだった

私は閣下のため お国のために
任務をまっとうしたい だが むだ死にはしたくない」

西郷「お前は
何かが もったいねぇ って思うほど
まだ生きちゃいないのじゃないか?」


監督は、クリント・イーストウッド。文学のように「じっとり」と映画を撮る人。ほとんどケチの付けようがないので書くことがない。私は、パーフェクトだと思う。
硫黄島の戦いを、日米双方の視点から描く野心作で、とくに戦争を扱った映画は指摘される箇所が、だいたい決まっていて、(1)戦闘シーンのリアルさ、戦略の面白さがどれくらいあるか、(2)歴史的事実にもとづいて作られているか、(3)「私」の思惑通りに作られているか、この3点は、どの戦争映画でも、かならず指摘する人が出てきて面倒くさいのだが…、ことに(3)は厄介で、国対国の、理屈にならない論争へと発展しかねない、感情的な問題も含まれている。

しかし映画は、いや創作されていくものはすべて、あらゆるものから自由であるべきだと思う。
一般常識もさることながら、歴史的事実の奴隷にもならず、だれかの思想にも屈することなく、つねに創作されるものは、すべてのものから自立した存在であるべきだと思うのだ。
クリント・イーストウッドといえども人間だから、個人的な感情もあるだろう。アメリカ人であれば、アメリカにとって目に優しい映画を作りたいものだ。そこを超えていく映画だけが時代のヤスリにかけられても削られ瘠せ細ることなく残されていく。
クリント・イーストウッドは、より大きな視点によって、この戦争を描こうとした。『父親たちの星条旗』のラスト間近、息子がこう言っている。


彼らの栄誉を たたえたいなら――
ありのままの姿を心にとどめよう
父がそうしたように


目先の感情、利益、思想に囚われて、大きな間違いを犯していないか?
国も何も関係ないのだよ。ありのままの姿を心にとどめよう。私たちの父がそうしたように。すこし時期をズラして公開されたこの2作品は、過去へとさかのぼりつつ、同時に未来へと向かい、戦争映画にしては地味で静かだが、その実、打ち震えていた。


『父親たちの星条旗』/2006年アメリカ映画/詳細
監督:クリント・イーストウッド
出演:ライアン・フィリップ(ジョン・“ドク”・ブラッドリー)、ジェシー・ブラッドフォード(レイニー・ギャグノン)、アダム・ビーチ(アイラ・ヘイズ)、ジェイミー・ベル(ラルフ・“イギー”・イグナトウスキー)、バリー・ペッパー(マイク・ストランク)、ポール・ウォーカー(ハンク・ハンセン)、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(キース・ビーチ)、ジョン・スラッテリー(バド・ガーバー)

『硫黄島からの手紙』/2006年アメリカ映画/詳細
監督:クリント・イーストウッド
出演:渡辺謙(栗林忠道中将)、二宮和也(西郷)、伊原剛志(バロン西)、加瀬亮(清水)、中村獅童(伊藤中尉)

公式HP

父親たちの星条旗
父親たちの星条旗
ジェームズ・ブラッドレー 大島 英美

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